#04 必要な内容を絞り込む
前田 大地
世の中には2種類のコンテンツがある。クリティカルコンテンツと、そうでないコンテンツだ。
ホームページに何を載せるか
ホームページを作ろうと決意したとき、漠然と「こんなことを載せたいな」とか「こんな機能がほしいな」なんてことを考える。似たような業種やお気に入りのホームページを見ながら、こんなステキなホームページができたらいいな、と想像を膨らませる。
まるでクリスマスを目の前にした子供みたいだ。無邪気に思いを馳せる時間は、大人になってからのほうがワクワクする。ずっとこの楽しい時間が続いたらいいのに。
しかし、そんなあなたに「ビジネスで求められるものはスピードと結果」という無慈悲な現実が重くのしかかる。
クリティカルコンテンツ?
クリティカルコンテンツとは、「ホームページの目的達成のために決定的な(クリティカル)内容(コンテンツ)」を意味する。
制作するページ数が増えれば、予算も増え、納期も伸びる。ほとんどの場合、予算や時間には限りがあるため、いかにそれを目的達成のために集中できるかが重要になる。
クリティカルコンテンツの使い方はとてもシンプルだ。ホームページの内容を考える時に、「それはクリティカルコンテンツか?」と自分自身に投げかければいい。それだけで、それぞれの内容がどのように目的達成に役立つかという視点から検討できるようになる。
クリティカルコンテンツの種類
クリティカルコンテンツは、おおよそ以下の5つに分類できる。
- 利益 ユーザーへのメリット
- 根拠 メリットを納得させる理由
- リスク ユーザーにとってのリスク
- 評価 第三者によるお墨付き
- アクション ユーザーの取るべき行動
お気付きかもしれないが、これらの内容を全て1ページに集約したものが、よくある縦に長~いページ。いわゆる「ランディングページ」と呼ばれるものだ。クリティカルコンテンツを極限まで研ぎ澄ましたもの、と言える。
当然、高い成果を上げるホームページは、これらの内容を全て含んでいることが多い。
オーダー家具屋さんのケース
例えば、オーダー家具屋さんのホームページで資料請求をしてもらいたいとしよう。
ホームページの目的は資料請求だから、当然、資料請求フォームがなければ話にならない(アクション)。資料請求することで、どんなメリットがあるのか(利益)。送られてくるのはどんな資料なのか(根拠)。フォームを設置するなら、個人情報の取り扱いについて明記しておく必要もある(リスク)。そして、オーダー家具が既製品と違い自由なデザイン・サイズで作れること(利益)、工房や職人による製作風景も載せて(根拠)、完成した作品と一緒にお客さんのコメントも掲載しよう(評価)、そして受注生産のため返品できないことを明記する(リスク)、、、
・・・と、大雑把だがこんな感じでクリティカルコンテンツを洗い出していくことができる。あなたのビジネスや状況に応じて優先順位は変わるだろう。
これらに加え、お知らせ、会社概要、サイトマップなどのコーポレートサイトとして必要な内容が加わったものが、この家具屋さんのホームページに必要な内容となる。
その1ページが成否を左右する
予算が少ない場合、できるだけ少ないページで成果を上げたいと思うのは当然だ。しかし、目的を達成するために削ってはならない内容があるということを忘れないでほしい。
事実、その1ページを追加することで、反応率が大きく改善されるケースも珍しくない。少しの予算を抑えるために大きな成果を犠牲にするのはもったいない。
クリティカルコンテンツという発想は、それらを見極め、優先順位をつけ、最小構成で最大限の成果を上げるための大きな武器なのだ。